第3章 honey.3
そんな俺の眠りを妨げたのは…。
「まっすんおはよー!!」
「うっせぇ、今すぐ死んでこい」
「やーん、寝起き最悪ぅ!」
やけに肌にハリのある彰をギロリと睨んで一蹴するも、奴は楽しそうに口元に手を当てるだけだ。
「まっすんもう昼だよ?ずっと寝てたのか?」
「…女遊びしてた奴に言われたくねぇよ…」
しょうがなく机に突っ伏していた体をゆっくりと起こして彰を睨む。
確かに空腹感が襲ってきて、俺は顔をしかめた。
「彰なんか買ってきて…」
ボリボリと頭をかきながら口を開く俺を彰がニヤリと見下ろす。
「まっすんには出前が来てるんだよねー」
「は…?」
まさか学校に出前を頼んだのかとビックリしていると、何故か教室がざわざわと騒がしくなった。
「何あの子!めちゃめちゃ可愛くね?!」
「転校生か?!」
頬を赤らめては周りの奴らと言葉を交わす男子生徒達に、俺は嫌な予感がして教室の扉に視線を動かすと、そこには俺の予感を的中させる人物がいた。
「あ、歩…!」
ガタンッと席を立つと、それに気づいた歩の顔に笑みが浮かぶ。
「お兄ちゃんっ!」
「「「お兄ちゃんっ?!!」」」