第1章 honey.1
リビングには親父の再婚相手と思われるこれまた可愛らしい女性がソファーに座っていた。
ちらりと隣に立っている歩ちゃんに視線をずらす。
母親の容姿を惜しまずに受け継いだ可愛さの持ち主。
俺より少し身長の低い歩ちゃんを見下ろすと、長いまつ毛が目に影を落としているのが分かる。
しかし、近頃の女の子の身長は高いな…。
「初めまして、真澄くん」
優雅な仕草で立ち上がった俺の母親となった人物が丁寧に頭を下げるのを見て、俺も軽く会釈をした。
「初めまして。えっと…」
「晴美(はるみ)です」
言葉に詰まった俺に名前を教えてくれる晴美さん。
パリッとしたスーツに後ろでまとめられた黒髪が大人の女性の雰囲気を醸し出している。