第2章 honey.2
「まっすん、おはよー!」
「うっせぇ、死ね…」
「理不尽っ!!」
手を振りながら近づいてくる友達を一蹴して踵を返す。
結局昨日もキスを許してしまった自分が許せない。
歩は寝る前にも一度俺の唇を奪い、しかもあろうことか布団に潜り込んできた。
ただでさえ狭いベッドに男が二人。
リラックスして眠ることが出来ない俺に対し、歩はすやすやと規則正しい寝息を立てていた。
あー、イラつく。
「で?妹ちゃんとはどうなったのよ、まっすん。
あ、弟だったっけ?」
「………」
彰(あきら)はニヤニヤと下品な笑みを浮かべながら俺を見る。
その笑みは癪に触るが、俺の愚痴を聞いてくれるのはコイツしかいない。
仕方なくジロリと睨んだ後、足を進めると彰は俺の後ろをついてきた。