第2章 honey.2
キスまでは許したが、それ以上を許した覚えはねーぞっ!!
唇は重ねたまま抵抗するがそう簡単に逃れることは出来ない。
そこは歩も男だと言うことか。
「んっ…く…!」
くそっ!
唇を離した歩はそのままちゅうっと、すでに反応を示している胸の突起に吸い付いた。
「あっ!…ばかっ、やだ…って、ぁあ!」
上手く力が入らない寝起きの体から力が抜け、歩に押さえつけられる。
…カチャ。
ベルトを外す小さな金属音がして、俺の体がビクリと跳ねた。
いいかげんに…。
「しろっ!!」
ゴンッ!!!!!
「いっ…!」
「はぁっ、はぁっ…」
脳天に俺のゲンコツを食らった歩は頭を両手で押さえてその場にしゃがみこんだ。
俺は素早くシャツを引き寄せ肌を隠す。
「…酷いよ真澄。自分だってその気だったくせに…」
「まあ、キスくらいなら我慢してやるが…それ以上は許してねぇ!」
「ちっ…」
舌打ちしてんじゃねぇよ!
つーか、男とこんなことしてる自体信じらんねぇっーの。
口元を手で隠しながらぶつぶつと文句を言っている歩を見る。
見た感じが女だから、か…?
だから俺は…
たぶん、そんなに嫌じゃないー…。