第2章 honey.2
寝起きの体には激しすぎるその行為。
歩の肩を押し返そうとするも、変な態勢で押さえつけられているからか上手く力が入らない。
華奢な割に力が強いのは、歩がれっきとした男だからだろうか。
「んっ…はっ、歩…」
「もっと、舌…出して。はっ…」
がっちりと掴まれた頬。
近くで感じる吐息と、俺の性欲を煽るように口内をうごめく歩の舌。
…ちゅ、ちゅく。
「んぁ…っ、んっ」
次第にどちらのとも言えない唾液が卑猥な水音を響かせていく。
あの夜以降、歩はこうやって俺の唇を度々貪っていた。
初めは抵抗していた俺も、自分の性欲もあってか最後には受け入れてしまう。
…まあキスだけ、だが。
しかも歩のキスは他の女とするよりも気持ちがいい。
体中の性感帯を刺激し、欲情を煽る。
…そんな、キス。