第2章 honey.2
「温めてあげようか…?」
歩がちゅっと俺の指先に唇を寄せて不敵に微笑む。
「…結構だ」
バッと手を離し、むすっと不貞腐れた歩を置いて、俺はマグカップを持ってリビングから出た。
唯一安心できるのが自分の部屋。
ただ、今は本気で部屋に鍵を取り付けようかと思っている。
鍵って簡単に取り付けられるものなのか?
「……ふむ」
ガチャガチャとドアノブを何度か回して確かめてみるがわからない。
店に行ったほうが早えか…。
コトンと机にマグカップを置いてベッドに仰向けに寝転がる。
真っ白な天井。
というのもここ最近と言うか、襲われた後から何故かアイツは夜這いに来るようになった。
縛られてなければ俺はアイツよりも力が強いし、ヤられたりはしてないが…。