第15章 【特別編】甘え日和。
「美男美女だってさっ」
女子グループ達に言われた言葉が嬉しかったのか、歩は終始ご機嫌だった。
クレープ屋を出た俺達は、化粧品コーナーへと向かっていた。
「…良かったな」
「他人事だなー…」
俺の反応に声のトーンが落ちる歩に、今更何言われても嬉しくねぇよと返す。
自分で顔が良い事はそれなりに理解しているし、それを武器にして来た事もあった。
だからと言って自分が一番かっこいいとか、そんなナルシスト見たいな考えは持っていない。
彰の方がかっこいいと思うしな。
そんな事をぼんやり考えていると目的地についた。
先程とは違い、化粧品コーナーと薬局が一緒になっているような場所なので、居心地の悪さを感じることは無かった。