第1章 honey.1
親父に呼ばれてリビングから出てきたのは…。
「……」
女の子?
ひょこっと顔を出したその子はとてとてとこちらに歩いて来て、親父の隣でピタッと足を止めた。
茶色の艶やかな長い髪の毛をツインテールに結び、ピンクと白の控え目の中にも可愛らしいさがあるシャツにふんわりとしたスカートを合わせている。
短いスカートから覗く綺麗で細っこい長い素足。
寒くないのか…?
「今日からお前の妹になる、歩ちゃんだっ!」
じゃーんっと手を広げて紹介をする親父。
「は…はぁ?!」
いきなりすぎるだろっ!!
お陰で若干、声が裏返ってしまった。
「よろしくお願いします、お兄ちゃん」
俺の驚きなど気にしていない歩ちゃんは、人懐こい笑顔を浮かべて右手を差し出してきた。