第1章 honey.1
「…と、言うことだ真澄(ますみ)!」
どーゆうことだ。
満面の笑みで俺を見つめる親父に冷やかな視線を送る。
学校から帰ってきた俺は玄関先で親父の言葉を受け止めていた。
「…はぁ。
再婚するのは分かったが…」
親父の話の内容をまとめると、どうやら親父は再婚する…と言うかもう再婚したらしい。
俺に一言の相談も無しに。
まぁ親父のこんな所は今に始まった事ではないし、もう怒りすら湧かないが…。
「聞くだけより見た方が早いだろう。
おーい!歩(あゆむ)ちゃーん!」
納得していない俺を見た親父はリビングに向かって声を張り上げた。
歩…?