第15章 【特別編】甘え日和。
分かりやすいやつ、と心の中で呟き歩の返答を待つ。
歩は視線を彷徨わせて何かを考えた後、こちらに視線を戻すと口を開いた。
「ショッピングに行きたい!」
ショッピング…?
キラキラと顔を輝かせる歩に仕方なく了承すると、早く準備して来てと背中を押される。
あまり乗り気ではないが、適当にクローゼットから服を引っ張り出して外出用に身なりを整えた。
あくびを噛み殺しつつリビングに戻ると、すっかり準備の整った歩がソファーの上に座っていた。
「ショッピングって、お前何が欲しいんだ?」
「えっとー、服とか化粧品とかかなー」
歩の答えにこれは時間が掛かるなと察した俺は、気づかれないようにため息を吐くのだった。