第11章 honey.11
「彰センパイに抱かれて、先生に犯されそうになって…さすがに鈍感な真澄でもわかるでしょ?」
その言葉を聞いた俺の心臓は、誰かに鷲掴みされたように苦しくなる。
「真澄が俺のことをどう思ってるか」
そんな俺に気づいているのかいないのか、歩はひゅっと喉を鳴らした俺を見つめたまま言葉を繋げた。
「…ただの妹だ」
気づかれたく無くて、素直に口にするのも癪に障るから…。
俺は視線を下にさげながらボソッと呟く。
「違うでしょ?
彰センパイと先生に触られたときどう思った?」
そんな俺を逃がさないとでも言うように…歩の言葉が深く俺の中に入り込み、突き刺していく。
どう思った、なんて…。
「……っ」
「逆に俺が触った時…真澄はどう思った?」
分かってる。
彰に触られた時も、変態教師に弄ばれた時も…頭に浮かんだお前の顔の意味なんて。
それでもー…。