第1章 honey.1
はぁ…。
俺は一体何やってんだ。
カーテンの隙間から入ってくる朝日に目を細める。
いつもなら清々しく感じる朝も今は憎らしい。
頭を抱えながらちら、と隣を見るとすやすやと寝息を立てる歩がいた。
結局昨日は二人とも疲れ果て、風呂にも入らずに眠ってしまった。
おかげさまで体が気持ち悪い。
ふと手首に残る赤い後が夢だと思いたい俺の気持ちを打ち砕く。
二回も男にイかさるとは…。
それよりもコイツが男だとか聞いてねぇぞ。
親父は知ってたのか?
…しかし。
眠っている姿は可愛らしい。
長いまつ毛も艶やかな髪もどう見ても女だが、毛布をはいで中を覗けばやっぱり男…。
とんでもないやつを妹に持ってしまった。
いや、これは弟になるのか?
……どっちでもいいや。
俺は布団の上に無造作に置かれた服を手繰り寄せ、シャワーを浴びに下へ降りた。