第10章 honey.10
いや…あいつは妹ではなくて弟だ。
自分の考えを訂正すると同時にあの日、初めて歩から襲われた日を思い出す。
襲われるまでは歩だったら抱けるとか、くだらないことを考えていたりしたが…。
まさか自分が襲われるとは…。
考えても見なかった。
………歩。
やっぱり様子を見に行った方がいいのか。
そんな事を考えていても、何処かで歩に会いたくない自分がいることも確かだった。
変態教師に弄ばれた体で会いたくない。
会って…あいつに会えば…。
俺はきっと…。
「弄ばれたなんて都合のいい解釈だよな…」
散々人を抱いてきたこの体が綺麗なはずはない。
いろんな女に突っ込んできた自分が綺麗なはずはないのだ。
なんかもう…どうでもいいのかもしれないー…。