第10章 honey.10
倦怠感からゆっくりと体を起こすと、すでに部屋は真っ暗になっていた。
…今、何時だ…?
学校から帰ってきてすぐにベッドに潜り込んだ俺は、何かを考える余裕もなく眠りに落ちてしまったらしい。
ギシッと軋むベッド。
外も真っ暗なところから、長い間寝てしまっていたことが分かる。
シワだらけになった制服を脱ぐ気にもなれず、ネクタイだけを緩めて立ち上がった。
「…はぁ…」
キツイ、だるい、そんな負の感情だけがぐるぐると身体中を巡る。
っつか彰は…?
物音の全くしない部屋に目を向けてから電気を付けた。
パチッと音がして部屋は明かりにつつまれ、一瞬目が眩むもすぐにそれに慣れる。
部屋にはやはり誰も居なかった。