第9章 honey.9
そう、それは決してこんなことをする為ではない。
「……っあ?!」
俺の足を割り、生物教師の足が間に入る。
「ねぇ真澄くん…これ。…なんだと思う?」
ごそっとスーツの内ポケットを探った生物教師の手にあったのは数枚の写真だった。
「……っ!」
そこに写っていたのは紛れもない俺で、しかもそれはこの間ここで女子生徒とやっていた時の物。
あられもない姿で互いを貪る姿が鮮明に写し出されている。
隠し撮りじゃねえか!!
「ふざけんなっ何撮ってんだよ!!」
その手の中の写真を奪おうとした俺の手は、だんっと教師に遮られた。
俺の両手首をひとまとめにした生物教師はニヤリと顔を歪め、写真をまた内ポケットに入れる。
「学校でこんな行為を行ってるって報告したらどうなるのかな…?」
勝ち誇ったような教師の笑みに吐き気がした。