第9章 honey.9
完全に机に突っ伏した後も何度か定期的に体を動かしたりして、俺は生物の授業中全てを睡眠の時間に充てた。
「…ん…っ…」
久々に学校に出ると怠い。
たまにハッキリとした脳内に生物教師の声が滑らかに聞こえてくる。
何かの説明をしているようだが、寝ぼけている頭で聞いていてもさっぱり分からない。
やがてそれが子守唄代わりになり俺はまたいつの間にか意識を手放した。
それからどれだけの時間、眠っていただろうか。
ぽんぽんと肩を優しく叩かれる感触で俺はゆっくりとまぶたを持ち上げた。
「…あ、真澄くん起きた?」
………あ?
目の前にある生物教師の顔。
「うわっ?!」
不意の出来事でガタンッと後ろに下がった俺を見て、生物教師は距離を取ると俺を見下ろしながら口を開いた。