第9章 honey.9
今日は午後になやるにつれ気温が下がってきたこともあり、俺と彰は教室で大人しくしていた。
と言っても彰はずっと机に突っ伏していたし、俺は俺で寝ることにも飽きじっと窓の外の風景を眺めていた。
教室に入ってくる度に教科担当が俺と彰を見て驚きの表情を浮かべる。
その顔に見飽きた頃にあの授業はやってくる。
「ふぁ…っ。まっすん、次の授業生物だけど…どーする?」
10分休憩中に目を覚ました彰があくびを噛み殺しながら俺の机に近づいてきた。
「寒いからちゃんと授業出る」
不本意だけどな、と続く言葉を飲み込んでそっぽを向きながら答えた俺の頬を彰がつんつんと突つく。
「すっげえ嫌そう」
そう言って笑った彰に鋭い視線を向ける。
「触んなっ」
ぶんっと頭を振って彰の指をはねのけた所であの先生が教室に入ってきた。