第9章 honey.9
「いったいよ先生!!」
「あ?うっせえよ。いいからやってこい」
「なんですかそれ!!横暴!!!」
口答えをする彰の頭にもう一度手が振り下ろされるのを見ながら、俺は静かにため息を吐いた。
目の前にいる俺達のクラスの担任は、見た目だけでは学校の教師とは思えない位の風貌だ。
短髪の髪にボタンを3つ開けたよれたシャツ。
メガネをかけてはいるが、もしこれがサングラスならどこかのヤクザになってしまうだろう。
「っつかお前ら、あんまり授業サボるなよ。サボるなら単位落とさない程度にしろ」
それが学校教師の言う言葉なのかと耳を疑うが、これがこの先生のいい所だ。
だからこんな風でも生徒に好かれている。
「…はーい。これいつまで?」
「は?知らねえ、自分で考えろ。じゃ俺は職員室帰るから」
それだけ言い残してひらひらと手を振りながら担任は立ち去った。