第9章 honey.9
寒い外から学校内に入っても、教室にストーブがある位の校内ではそこまで気温は変わらない。
早く教室に入って温まりたいと足早になるそんな俺達に背後から声がかかった。
「そこの問題児2人、ちょーっと待て」
「問題児じゃありませーん」
彰がすぐに言い返して後ろを振り向く。
問題児と言われて立ち止まってしまう自分がどこか悔しいが、自分を優等生とも思えないので仕方がない。
どっちかと言うと問題児だしな。
「お前らは間違いなく問題児だ。…ほら、これ」
「えー。何てこと言うんですか先生」
むくれた彰が担任に渡された紙束を受け取って首を傾げた。
「…なんすかこれ…」
俺も彰の手元を覗きこんで首を傾げる。
「お前らが欠席した間の宿題だ」
「いりません」
バシッ!!
間髪入れずに否定した彰に担任が手を振り下ろした。