• テキストサイズ

俺は妹に犯される。

第8章 honey.8


彰の言葉に俺は下げていた視線をはっとあげた。

「ねぇ、まっすん。…風邪で弱ってる?」

指先を絡めていない方の手で、彰が俺の頬をするりと撫で上げる。

「そんな事言われると勘違いしちゃうよ?」

いいの?とニヒルに笑った彰の表情に、ごくりと喉を鳴らして俺は唾液を飲み込んだ。

「…我慢出来なくなっちゃうと困るのはまっすんだよ…?」

困る…?

つ、となぞった彰の指が俺の顎をクイッと持ち上げる。

「…あき、…」

そのまま光を宿さない彰の顔が徐々に近づいて来て、俺は後に続く言葉を失った。


………コツン。


「ん、熱下がったね…」


額と額が触れ合う。


吐息が触れる。


「ねえ…まっすん…」


言葉を失った俺はまるで…。


「…俺はね…」


蜘蛛の糸に絡め取られた蝶のように…。





「ーーーまっすん以外に優しくなんてしないよ…」





身動き一つ取れないでいた…。


/ 321ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp