第1章 honey.1
ちっ、身体ベタベタ…。
火照っていた体も徐々に空気に晒されて熱を引いていき、そうなると俺は自分の状態を嫌と言うほど理解してしまう。
ありえねぇ。
捲り上げられたシャツ。
膝下まで下げられたジャージのズボン。
下着もずらされて俺のが丸見えだ。
「終わったなら、早く…んっ!」
その後の言葉は歩ちゃんの唇によって遮られた。
口内をうごめく舌に翻弄され、冷え始めていた体がまた熱を取り戻し始める。
達したあとの脱力感から、何の反応も示さない俺の舌が絡めとられていく。
「ん、…はぁ。
だから、まだ俺がイッてないでしょ」
離れた唇を惜しむように銀色の糸が俺と彼女の舌先を繋ぐ。
最後までヤるつもりか?