第1章 honey.1
「や、やめっ…んっ!!」
指とは比べ物にならない刺激が体中を駆け巡る。
卑猥な音を響かせて歩ちゃんが赤い舌を這わしていく。
もう理性など、そんなものは欠片もない。
ただただ与えられる刺激に身を任せ、生理的に流れる涙が頬を伝うのを感じながら喘ぐことしか出来なかった。
「っく、ああっ!!」
ビクンッと体を反らせ、強い刺激の波の中で俺は達した。
「ん、良かった?」
「はぁ…っ…」
俺の蜜で濡れた唇をぐいっと華奢な腕で拭うと、彼女は肩で息を繰り返す俺に近づいてくる。
「もっ…外せ…」
息も絶え絶えになりながら涙で濡れた瞳で歩ちゃんを見上げた。
「ダメ。…まだ俺、イッてないもん」
……俺?
快感に浸りぼーっとした頭で彼女の言葉を繰り返す。
普通女子の一人称は“私”か“うち”だと思う。
でもそう言う女子もいるよな…。