第8章 honey.8
ペロリとお粥を食べ終えた俺は、彰がお粥が食べれなかった用にと持って来ていたリンゴのすりおろした物を口にしていた。
“え、これも食べるの?!”
リンゴも食いたいと言った俺に先程、彰は驚きの声を上げた。
「…うまい…」
「良かった。頑張ってすったかいがあるよ」
スプーンに少しずつ、俺が食べやすい量を掬って口元に持って来てくれる彰に感想を述べる。
すりおろしたリンゴはするすると喉を通り、小皿にあったそれも全て食べてしまった。
「…ごちそうさま…」
「うん、よく食べたね」
ぽんぽんと背中を撫でた彰は一旦ベッドに寝かせると、俺から離れた。
…ん、腹いっぱいになったら眠くなってきたな…。
ガサガサと薬を用意してると思われる彰に目を向ける。
徐々に彰の姿がぼんやりと歪んで見え、俺の意識が朦朧としてくる。
まだズキズキと痛む頭。
だるい体…。
久々に引いてしまった風邪にすっかり体が参ってしまっている。
…薬…飲むまでは…。