第8章 honey.8
「…と、言うわけで。浜野先生が戻られるまでの臨時教師として生物を教えます。聖 良真(ひじり りょうま)です、よろしく!」
教壇の前に立ち、にこっと臨時教師が笑みを浮かべると、女子生徒達が息を飲む音が聞こえた。
っつーかこいつ…。
忘れる訳が無い。
この教室で女を抱いていた時に、覗き見していた変態教師。
…臨時教師だったのか。
通りで見たことが無かったはずだ。
黒板に書かれた名前を見ながら、人懐こそうな笑顔を顔に貼り付けた教師を睨む。
ばちっと目が合うと、相手はにっこりと微笑んだ。
「……っ、!」
この反応からして、向こうは俺の事を覚えているのだろう。
…めんどくさくならなきゃいーけど。
案の定サボった彰の席を見て、俺もサボれば良かったと後悔したのだった。