第8章 honey.8
「そいえば今日って臨時の先生が授業するんだよね?」
「あ?」
もぐもぐと口を動かしたまま、過去の記憶を引っ張り出す。
そういえば2日前のLHRの時間にそんなニュアンスの言葉を聞いたことがあるような気がする。
「いい先生だといいねー」
他人事のような言い方に、こいつが授業をサボる気なのを感じ取り、ため息を一つ吐いた。
確か臨時の先生が担当するのは生物の授業のはずだ。
……生物って眠くなるんだよな。
授業内容を思い出して、眠たくなる脳を左右に緩く振って朝ごはんを食べ終えた俺はんー、と大きな伸びをして体を起こす。
「彰、あんま授業サボるなよ」
「それまっすんには言われたくないー!」
むー、と口を尖らせた彰に、お前よりは真面目に授業に出席してんだよ、と内心で毒づいて俺は食器を水につけた。