第7章 honey.7
その姿を見て、背徳感が広がり顔を背けてしまった俺を子猫が見つめてくる。
「妹くんでもいた?」
「………」
的確な彰の指摘に、小さく肩がビクリと跳ねた。
まさか、聞かれてたのか?
それとも見られた…とか?
ぐるぐると思考回路が周り心臓が早く鼓動を刻む。
別に、やましい事はしていない…はずだ。
「…くっ、ははっ!」
ははっ……?
笑い声を発した張本人の方を見ると、腹を抱えて背中を丸くしている彰の姿。
「まっすん顔!あははっ!」
ケタケタと時折こちらを指差しながら笑い続ける彰の姿に、さっきまでうるさかった心臓の音は止み、頭が冷静になる。
いや、冷静とは逆の怒りがフツフツと湧き上がる。
「もーっ…わっかりやすいなあ…」
ひとしきり笑った彰は目尻に溜まった涙を拭ってから、俺の正面に立った。