第1章 honey.1
「でも、男とは初めてでしょ?」
突起を弄びながら彼女はふっと笑う。
「男…?ちょ…やめっ」
俺にはその質問の意味が分からなかった。
だって目の前にいるのは可愛らしい歩ちゃんで、男なんてどこにもいないからだ。
もっともこんな事をされている今、彼女のことを可愛いとは思えないが。
「…舐められるの、初めてでしょ?
んっ……」
捲り上げられたシャツの下で露わになった俺の胸に舌を這わせ始めた歩ちゃん。
「や、…んっ」
なんとも言えないゾクゾクとした感覚が体中を駆け巡り、唇を噛み締めて声を飲み込む。
こんな女みたいなことをやられるなんて…!
敗北感に似た何かが胸の奥に広がっていく。
声が漏れないように必死に奥歯を噛みしめる。
「…っ、つ!」
湿った舌がぬるりと動くのが肌を通して伝わってくる。
くそっ…!