第7章 honey.7
「真澄に何か用?」
その声にばっと後ろを振り向けば、ちょうど彰が男の胸ぐらを掴み上げている所だった。
ニコリと笑みを浮かべているのに彰のその瞳はナイフの様に鋭く、いつも一緒にいる俺でさえぞくっと背筋に悪寒が走る。
ギリギリと胸ぐらを締め上げて行く彰に、俺は慌てて間を割ってそれを制止する。
「何やってんだよ!」
「まっすんは黙ってて」
……っ!!
止めに入ったはずの俺の手首を彰は掴んで、そのまま片腕で抱き寄せる。
怒鳴った訳ではないのに低く、それでいてドスの効いた声。
こんな声を出すときは本当にキレている時だ。
事態の重さを把握した子猫が腕の中で小さく鳴く。
その背中を撫でながら俺は彰と4,5人の男達とを交互に見た。