第7章 honey.7
じっ、と彰が歩いて行った方向を見ていた俺ははたと気がついて視線を空に向けた。
家を出る前は高かった太陽も、気がつけばもう傾きそらは夜を連れてこようとしている。
「……さむっ」
厚着をして外に出てきたものの、冬の寒さに身を縮め子猫の体を抱き寄せた。
とりあえず建物に入るか…。
ベンチから立ち上がり、ざっと周りを見ると至る所にカフェがある。
スイーツが美味しいお店、コーヒーが美味しいお店、そこまででは無いが雰囲気がいいお店。
それぞれがそれぞれの特徴を持ったお店。
…ペットも一緒に入れるカフェって、この近くにあったか?
まだ眠ったままの子猫を起こさないように携帯を取り出した俺は、近くでいいお店がないか探していた。
後ろに忍び寄る数人の影に気づかないままー…。
ーーーーーガツッ!