第7章 honey.7
「お前は俺の…だろ?」
「…え…」
戸惑う彰の胸に額をすり寄せるように近づき、拗ねたような表情を浮かべる。
「他の女としゃべんなよ…」
「んっ!」
そのまま軽く背伸びをして彰の耳にカプっと噛み付くと、彰の体は大袈裟な程にビクッと震えた。
「…と言うことで、こいつ俺のだから。…ごめんね?」
軽く微笑みかけてから、真っ赤な顔でプルプルと震える店員を置いて俺達はレジに向かった。
もちろん首輪の代金は全て彰に払わせてやった。
店を出るまでの店員の視線が痛かったが、もう別にどうでもいい。
「まっすんって意外と演技の才能あるよね…」
俺と少し距離を置いてついて来る彰の頬は微かに赤い。
…お前が女に絡まれてばっかだからだろ。
それを無視して近くの公園に入ると、俺はベンチに子猫を下ろして買ったばかりの首輪を袋から取り出した。