第7章 honey.7
「いらっしゃいませ〜。何かお探しですか?」
「あー、ちょっと子猫の首輪を」
愛想の良い笑みを浮かべた店員が近づいてくるが、俺は無視して首輪を見ていく。
代わりに彰が店員の相手をしている。
…どうみても彰目当てだろ。
彰と会話をしている店員の目が明らかに接客とは違う輝きを宿している。
「みゃっ、みゃ」
「お前に似合う色…」
ひょいと子猫を抱き上げて顔を覗き込むと、スカイブルーの色をした目がキラリと光った。
「スカイブルー…」
目の前の棚に手を伸ばし、俺の頭に浮かんだ色と同じ首輪を探していく。
あった……。
俺の手には白とベビーブルーを基調として編み込まれた首輪。
子猫の首元に当ててみても、それはしっくりときて俺はこれに決めたのだった。