第7章 honey.7
「…うーん、ピンクは?」
「こいつオスだろ」
「えー?男でもピンク好きって人いるし、黒にピンクって定番だよ?」
こいつはなに女みたいな事を言ってんだ。
ペットショップの中で子猫の首輪を見ている俺達は、どれがこいつに合うかを吟味している。
ガリッ!
「って?!」
「にゃあっ!!」
どうやらお気に召さなかったようで、子猫は首元に首輪を当ててきた彰の指に噛み付いた。
「こら、噛み付くな」
「……にゃ…」
ぐいっと胸元に引き寄せると、子猫はそのまま俺の腕の中に顔を埋めた。
「…え、何。なんでそんなにまっすんに懐いてるの…」
明らかにショックを受けている彰を余所に、俺は棚に陳列されている首輪を物色し始めた。