第6章 honey.6
やべ…今何時だっけ…?
部屋の中を見渡して、カーテンの隙間から入る光で太陽の位置が高いことを知る。
当然平日の今日は学校がある。
隣で寝ていたはずの彰の姿はない。
俺と彰の二人が寝てもまだ余裕のあるバカでかいベッドを降りて扉を開けると、食欲のそそる匂いが漂ってきた。
「…?」
リビングに続く扉を開けると、その匂いはより一層強く漂う。
「まっすんおはよー」
「…はよ…」
エプロンを身につけた彰がキッチンから振り返る。
…そいえばこいつ料理も出来るんだった。
テーブルの上には出来たての朝食がすでに並べて置いてある。
サラダにポーチドエッグがのったフレンチトースト、果物入りのヨーグルト。
ポーチドエッグって作るの難しいんじゃなかったか…?
どこのレストランの朝食だと心の中でツッコミながらイスに座る。
「コーヒーかココアか紅茶…どれに致しましょう?」
ウェイターになりきった彰がそばに近寄ってきた。