第6章 honey.6
「あ、まっすんおかえりー」
リビングに入ると、キッチンに立っていた彰が振り返ってにっこりと笑ってきた。
「…………」
後ろから締めてやる予定だったのに…。
俺の頭の中では、どうやって彰の首を締め上げてやるかのシミュレーションでいっぱいになっている。
すぐに俺に背中を見せた彰はカチャカチャと手を動かし始めた。
多分コーヒーでも作っているんだろう。
…好都合だ。
ペタペタと足を進め、彰との距離を縮めて行く。
…反省しやがれ!
彰の真後ろに立った俺はぐわっと手を伸ばした。
その時…。
「みゃあ!」
「………」
ピタリと俺の動きが止まる。
………みゃあ?