第6章 honey.6
頭上から落ちてくるシャワーの熱。
胸元にチクリとした痛みが走って視線を下げると、そこにはくっきりと噛み跡が残っていた。
「……歩か…」
だから痛えって言ったんだよ。
俺の体はもう男しか受け入れられねーのか…?
いや、たまたまだ。
考えを振り払うように頭を振り、膝を抱えてそこに額を乗せる。
彰には耐性があったから、そこまで嫌悪感を感じなかった…。
ただ…それだけだ…。
「…………」
うん。
とりあえず、風呂から出たら彰の首を締めよう。
ぐっと拳を作って誓った俺は、温まった体を起こして風呂場から出た。
脱衣所にはタオルと着替えがちょこんと置いてあったが、それだけで先程の行為が許される訳がない。
体を拭いて着替えを身につけた俺は、湯気が出ている体と共に脱衣所を出た。