第6章 honey.6
「…なーんてね」
ピンッ!
「って!」
唇が触れる寸前で止まった彰が人差し指で俺の額を弾いた。
後から追ってきた痛みに、俺はそこを手で押さえる。
「まっすんの泣き顔が可愛くて、ちょっとムラッとしちゃった☆」
ちょっと……?
パチッとウインクをした彰にフツフツと怒りが込み上げてくる。
胸弄ってあんな激しいキスまでしといて、ちょっと…?
「ふっざけんなよ!!!」
ゴンッ!!
全然悪いと思ってない彰を足蹴りにしてソファーから蹴り落とし、俺はそのまま風呂場へ向かう。
鈍い音から察するに、蹴り落とした時に頭をテーブルで打った見たいだが自業自得だ。
背後で痛みに悶える彰の声が聞こえるも、俺は気にしなかった。