第5章 honey.5
「ねえまっすん、お腹空かない?」
お腹をさすりながら俺を見る彰。
そう言えば何と無く小腹が空いてきた。
「今日3人も相手したからお腹空いちゃった」
てへっ、と言う効果音が付きそうな彰の笑いに半ば呆れながらも頷く。
っつか、3人も相手したのかよ…。
単位足りなくて留年とかしないといいけどな。
ちらりと視線を向けると、それに気づいた彰がん?と首を傾げる。
「何でもね…」
「じゃあ久々に何か食べに行こうよ」
「……あー…」
頷きかけたところではた、と気づく。
きっと歩はご飯を作るはずだ。
「弟くんが気になるんだ?」
答えを濁した俺の考えを読み取った彰は、覗き込むように視線を合わせてきた。
あの家で一人で食事をさせるのは気が引けるが、顔を合わせずらいのもまた事実だ。