第1章 honey.1
ふわふわとしたまどろみの中。
外から与えられる刺激に俺の意識は徐々に浮上していく。
……なんだ?
やけに体が熱い。
俺の体の上で動く何か。
乗っかかっているのかお腹辺りに重みを感じる。
誰…だ?
ペロッ。
「んっ!」
不意に与えられた刺激に俺の眠気は一気に吹っ飛んだ。
「あ、起きちゃった?」
目を開けると暗闇の中に浮かぶ一つの顔。
それは今日、妹だと紹介された…。
「……歩ちゃん?」
先程とは明らかに雰囲気が違う。
俺に馬乗りになり見下ろしている彼女から体を離そうと体を動かしたが、それは叶わなかった。
「いてっ…何だコレ?」
ベッドに縛りつけられている俺の両腕。
ネクタイ…か?
動かす度にギリッと食い込んでくるそれ。
っつーか、何だこの状況。
ジロリと歩ちゃんを睨むと、彼女は自分の口唇をペロリと舐めた。
赤い舌が覗き俺の欲情を煽る。
「これ早く外せ」
「んー、それはちょっと無理です」
俺は女の子に攻められる趣味はない。
極力冷静に言うも歩ちゃんには通じなかった。