第1章 honey.1
そんな願いも叶うわけがなく、ついに去年両親は離婚。
今考えるとあれ程までにすれ違って冷めていたのに、ここまでもったと感心してしまう。
濡れた髪の毛から落ちてきた雫をタオルで拭いガシガシと拭く。
さっきまで温かかった体も風呂を上がればすぐに冷えてしまう。
リモコンを取って暖房をつける。
明日も学校だ。
歩ちゃんは俺がいない時に何度か晴美さんに連れられて、この家に顔を出していたと言っていた。
俺が教えることは無いと言うことだ。
彼女には彼女の生活があるだろうから俺は干渉する気はない。
「ふあっ…」
寝るか。
時計に目をやればすでに23時を過ぎてしまっていた。
俺は目をこすり暖かい毛布の中に潜り込んだ。