第1章 honey.1
まさか寝込みを襲われるなどと、誰が思っていただろうか。
しかも年下の女の子に!
歩ちゃんは俺の言葉には聞く耳を持たず、首筋に顔を埋めると薄い肌に歯を立てた。
「っ、こら止めろ!」
肩を竦めるくらいしか出来ない抵抗はあっさりとはねのけられてしまう。
いやいやいや!
ちょっと待て!
妹に襲われたなんてしゃれにならねぇぞ!
いきなりの窮地に俺の頭はパニックになるも、ある一つの名案が浮かんだ。
「…歩ちゃん」
首筋を甘噛みしたり舐めたりを繰り返している彼女に声をかける。
彼女は刺激を与えるのをやめたりしなかったが、声は確実に届いていると考え俺は続けた。
「ヤりたいなら、ヤってやるから。
とりあえずネクタイ外してくんねーか?」
妹といえども所詮は元他人だ。
ヤれないことは…無い。
だが、妹とヤる趣味も全く無い。
ネクタイを外してもらった所で部屋から追い出してやればいい。