第5章 honey.5
女子生徒の香水の匂いは、先程の行為を思い出させるように匂いを強めていく。
少し前までこれが日常で。
罪悪感など持つ必要はない。
なのに……。
「……っ」
「まっすん…?」
ズキズキと胸が痛む。
頭にはちらちらと歩の顔が浮かぶ。
この感情は何だ…?
この想いは…何なんだ?
ぎゅっと胸元のシャツを握った俺の背中を引き寄せた彰が、頭の上に顎を置いた。
「…重い…」
「えー?」
頭上でくすくすと笑う彰の声を聞くと、胸がほっとなで降ろされる。
腕の中に女を入れるよるも、こうして腕の中にいる方が今は落ち着いた。