第4章 honey.4
目覚ましの音より早く起きた俺は、ベッドの上に座ったまま頭をかいた。
結局昨日は俺だけイかされてしまった。
歩はそんな俺を見て、満足そうに笑った後で衝撃の一言を放った。
『実はハンバーグのタネ結構余ってるんだ』
何の為に俺は…!
思い出すと怒りがこみ上げてきて、イライラしたままベッドから降りる。
ハンバーグを台無しにしてしまった罪悪感から抵抗をしなかったというのに。
引き止める歩の声を無視して部屋に閉じこもった俺は、そのままふて寝してしまったらしい。
寝る前にもう一度、風呂に入るべきだった。
若干ベタベタしている下半身はまだ歩の指先が入っているように感じられる。
「さっさと学校行こ…」
はぁ、と一つため息を吐いてハンガーから制服を取ると俺は階段を下りてシャワーを浴びに行った。