第6章 すれ違う思い
つい、たかぶって大きな声を出してしまった。
「雪華!?何があった!!」
「雪華さん!?」
ドタバタと、廊下を走る音がする。
杏寿郎と千寿郎くんが心配して駆けつけてきた。
「雪華!!」
「私には、もうお父様もお母様もいない…
私の話をいくら聞いて欲しくても、
伝える術がないんです…」
ポロポロと、涙が頬を伝う。
「誤解があるなら、解けば良いじゃないですか。
自分では何もしないくせに、
誰かに何かをしてもらおうと
考えている限り、あなたは変わりませんよ」
「…父上!!雪華に何をしたんですか!?」
杏寿郎が珍しく槇寿郎さんを凄んでいる。
今にも掴みかかりそうだ。
「雪華さん大丈夫ですか?
何があったのですか?」
千寿郎くんが私の涙を着物の裾で拭いてくれる。