第7章 いってらっしゃい
「そういえば杏寿郎、髪伸びたね。
もし時間あるなら切ってあげようか?」
「む!そうだな!
鍛錬ばかりしていて
散髪は久しくしていないな!」
「じゃぁ…!」
よし、これで半刻はもつかな?
「すまない、雪華の心遣いは嬉しいが
俺はそろそろ行かねば!」
えぇ〜〜
藤襲山ってそんなに遠いの?
確かに聞いたことない名前の山だけど…
「じゃ、じゃぁ結ってあげるから
すこしかがんで?」
「なるほど!それは良いな!…こうか?」
杏寿郎が私の背に合わせてかがんでくれる。
髪を一つに束ねた。
サラサラというよりかは、
一本一本に芯が入っているかのような
しっかりとした髪だ。
「どう?」
「うむ…なんだか首元が心許ないな」
「じゃぁこれは?」
耳から上半分の髪だけ結ってみた。
これなら首元も隠れるし、
髪が顔にかかることもない。
「おぉ!これは良い!
ありがとう、雪華!」
も〜〜
槇寿郎さん何してるの!?
杏寿郎行っちゃうよ!?