第6章 すれ違う思い
いつ鎹鴉が俺の訃報を知らせにくるか
気が気ではなかったと思う。
俺のせいで、気苦労も絶えなかっただろう。
瑠火はいつでも俺を優しく迎え入れ、
妻としても、母としてもよくやっていた。
俺はそれに甘え過ぎていたんだ。
千寿郎が産まれたあたりから…いや、
それよりももっと前から
俺は自分に剣技の才がないことは分かっていた。
太刀筋も、呼吸の使い方も
俺より優れている隊士は何人もいたのに、
何故才能のない俺が「柱」などという
冠を付けられているのか。
…下駄をはかされていたんだ。
「代々炎柱を担う煉獄家に産まれた」
ただ、それだけの理由で。