第6章 すれ違う思い
(主人公Side)
「雪華、後で俺の部屋に来い」
「…えっ?あ、はい」
一夜明け、みんなで朝餉をとっていると
突然、槇寿郎さんに言われて驚いた。
杏寿郎の方を一瞥するが、
俺も分からないという顔をしていた。
千寿郎くんと一緒にお皿やお碗の片付けをしてから
槇寿郎さんの部屋へ向かう。
「槇寿郎さん、雪華です」
「入れ」
襖を開ける手が少し震えた。
なんだろう…?
私、何かしたかな。昨日のこと?
「そこに座れ」
「はい…」
身を固くして座ると、
槇寿郎さんは箪笥の中をあさり始めた。
バサッと綺麗に畳まれた白い布が
私の目の前に投げられる。
「…?なんですか?」
両手に持って布を広げてみると、
真っ白い羽織だった。
しかし、裾には炎を模した柄が入っている。
「煉獄家に代々伝わる羽織だ」
「はぁ…どうして私に?」