• テキストサイズ

【鬼滅の刃】約束【煉獄杏寿郎】

第5章 はじまり




「瑠火、…………か?」

「はい、…………です」



普段は使っていない隣の座敷から

父上と母上の声がする。



うっすらと目を開けると、

障子を通してわずかに明かりが入ってきていた。


まだ夜は明けきっていない。





——カタン、



「ちちうえ、おかえりなさいませ…」




隣の座敷へ続く襖を開けると、

父上が何やら白くて丸いものを抱いておられた。




「あぁ、起こしてしまったか」



意識がはっきりしないまま近づいていく。



「…雪だるま、ですか?」


「よく見てみろ」



父上に抱かれたそれに顔を近づけた。



ほんの少しの光をも反射するほどの、

白く透き通った肌。

絹糸のように繊細な髪が顔にかかっている。

薄桃色の唇が、雪原に狂い咲く桜のようだった。



「…とても美しい!

ちちうえ、この子は雪の精ですか?」


「人だ人。今日からうちで預かることにした」



人…?尊敬する父上の言葉ではあるが

にわかには信じ難かった。






/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp