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【鬼滅の刃】約束【煉獄杏寿郎】

第4章 涙の色は




「雪華、見せてくれ」


くいっと顎を持ち上げられると
杏寿郎のまん丸い目と目が合った。



「は、恥ずかしいよ…」


「何も恥ずかしがることはない」




幼い頃から毎日、毎日
杏寿郎を見てた。

そう、今更恥ずかしがることなんてないのに



優しい月明かりが
杏寿郎の綺麗な髪に反射して
きらきら光った。
あの炎によく似た髪だ。


見つめ合う二人の間には
何も邪魔するものはない。





あぁ、ずっとこのまま

離れたくない…





杏寿郎は、何を思っているの?






「…ッ、雪華、

つい昔のように君に触れてしまったな。

年頃の娘に悪いことをした」



杏寿郎の手が、身体が
ぱっと離れる。



「杏寿郎私は…!」



「すまなかった。俺は厠へ行ってこよう。

父上が湯を温めてくださっていたようだ。

先に湯浴みをしてくると良い」


「…はい」




キシッ、キシッと
廊下を踏む足音が遠ざかる。






「…馬鹿」





杏寿郎の大きな背中に向かって
小さく呟いた。



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