第1章 美しい雪の精
「おい!お前たち!何をしている!!」
向こうのほうで、聞き慣れた声がした。
「げっ、杏寿郎だ!!」
「逃げろ!!」
「男たるもの、女子(おなご)を守るのが定めだろう!!」
「うるせぇやーい!!」
私に石を投げていた子どもたちは
杏寿郎を見るやすぐに逃げていった。
「雪華…遅れてすまない。
…血が出ているではないか!
うちで手当てしよう。」
「…うわぁぁぁん!杏寿郎〜〜!!」
「よしよし、今まで泣かずによく耐えたな。」
いつも私の心を暖かく照らしてくれる
太陽のような人、
杏寿郎のことが私は昔から好きだった。
「歩けるか?おぶってやろうか?」
「杏寿郎おぶって」
「いいぞ、ほら乗って」
私がいじめられてると
必ず杏寿郎が助けてくれた。
なぜ私の居場所が分かるのか
不思議なくらいだ。