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【鬼滅の刃】約束【煉獄杏寿郎】

第3章 鬼狩り




「ヒヒヒ!!若い女と子供かぁ…

柔らかくて美味そうだぁ!」



ゾワリと何かが背中を走る。


薄曇りが晴れ、月明かりが木の葉の隙間から差し込んだ。




え…?ひ、人…なの?



肌の色が極端に悪い。
悪いなんてものじゃない。

紫色、灰色、黒、


人間にはありえない色がそこにあった。


人間に見えるその手には
まるで短刀が何本も握られているような
鈍く光る爪が生えている。



鼓動がどんどん速くなり、
一粒、二粒と汗が首筋を伝う。

自分の、千寿郎くんの息づかいしか聞こえない。



「鬼、だ…」



千寿郎くんの
絶望にも似た声が二人を包む。




「さぁさぁ、どっちから喰ってやろうかぁ…

お前からだぁぁああぁ!!!!」




「雪華さん伏せて!!!」



鬼が飛びかかってくるのと同時に
千寿郎くんが私を抱きしめて
茂みへ飛び込んだ。

鬼の爪が千寿郎くんの着物を引き裂く。

パッと真っ赤な血しぶきが
私の視界を覆った。



「うぅっ…!!」


「千寿郎くん!!」


「…雪華さ、ん…

逃げ…て、くださ…」




チリリン、チリリン、

ぶら下げた鈴が
やかましいほどに鳴る。




「嫌…っ!!!」




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